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2025.08.27

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IP試験(防水・防塵試験)とは?

IP試験(防水・防塵試験)について基礎からわかる完全ガイド

電気製品や電子機器を選ぶときに「IP68」や「IPX4」といった表記を目にしたことはありませんか?
これは国際規格である「IPコード(Ingress Protection Code)」によって、防塵性や防水性のレベルを表したものです。

スマートフォン等の電子機器やアウトドア機器、産業機器など幅広い分野で重要視されるこの規格は、製品の信頼性や安全性を示す指標として欠かせない存在になっています。

本記事では、IP試験(防水・防塵試験)について基礎から応用までをわかりやすく解説し、活用事例や最新の動向までご紹介します。


1. IP試験とは?

IP試験とは、製品が「粉塵」や「水」に対してどれだけ侵入を防げるかを確認する試験です。
「IP」は Ingress Protection(侵入に対する保護) の略で、国際電気標準会議(IEC)が定める IEC 60529 (日本の対応規格はJIS C 0920) という規格に基づいて評価されます。

IP試験自体は、基本的には強制ではありませんが、製品により電安法等で指定された等級での評価が要求される場合があります。

なお、一般消費者向け製品では「防水スマホ」「防滴イヤホン」などの表記の裏付けとなっており、産業機器や医療機器などでは信頼性を担保するための重要な評価指標です。


2. IPコードの表記方法

IPコードは通常 「IPXY」 の形で表記されます。

  • X:固形物(防塵)の保護等級
  • Y:水(防水)の保護等級

例えば「IP65」であれば、「6 = 粉塵の侵入を完全に防止」「5 = あらゆる方向からの噴流水に耐える」という意味になります。

もし片方の試験が未実施の場合には「X」で表記されます。
例:「IP5X」=防塵試験のみ実施、防水性能は未評価。


3. 防塵等級(IPの最初の数字)

防塵の等級は 0〜6 までの7段階で評価されます。

等級保護内容
0無保護。
1直径50 mm以上の大きさの外来固形物に対し保護されている。
こぶし(拳)が危険な箇所へ接近しないように保護されている。 
2直径12.5 mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている。
指での危険な箇所への接近に対して保護されている。 
3直径2.5 mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている。
工具での危険な箇所への接近に対して保護されている。
4直径1.0 mm以上の大きさの外来固形物に対して保護されている。
針金での危険な箇所への接近に対して保護されている。 
5有害な影響が出るほどの粉塵は侵入しない(防塵)。
針金での危険な箇所への接近に対して保護されている。 
6粉塵の侵入が完全に防止される(完全防塵)。
針金での危険な箇所への接近に対して保護されている。 

等級5と6の違いは「粉塵が若干入るか、完全に入らないか」です。
例えば産業用機械や屋外設置の監視カメラは、使用環境の特性上、多くの場合でIP6X(完全防塵性能)が要求されます。


4. 防水等級(IPの2番目の数字)

防水の等級は 0〜8 の9段階以上で評価されます。

等級保護内容
0無保護。
1鉛直に落下する水滴に対して保護されている。 
2製品を15度で傾斜しても鉛直に落下する水滴に対して保護されている。
3鉛直から両側に60度までの角度で噴霧した散水に対して保護されている。
4あらゆる方向からの飛沫水に対して保護されている。
5あらゆる方向からのノズルによる噴流水に対して保護されている。
6あらゆる方向からのノズルによる強力なジェット噴流水に対して保護されている。
7一時的な水没に対して保護されている。(1m、30分など)
8継続的な水没に対して保護されている。(数字7より厳しい条件で、メーカー定義による)

スマートフォンなどでよく見る「IP68」は、粉塵が完全に入らず、水中使用にも耐えるという意味です。
「IPX4」はジョギング用で使用されるワイヤレスイヤホンなどで一般的で、雨や汗に強いレベルを示しています。


5. IP試験の重要性

(1)製品の信頼性向上

屋外や水回りで使用する機器にとって、粉塵や水の侵入は故障や事故の原因になります。

IP試験はこうしたリスクを事前に評価し、品質を保証する役割を果たします。

(2)安全性の担保

特に電気製品では、水の侵入が感電事故や火災につながる可能性があります。

規格に基づく試験はユーザーの安全を守ることにも直結します。

(3)マーケティング効果

「防水」「防塵」という表現は、消費者に安心感を与える大きなポイントです。スマートフォン市場では、IP68が標準化されつつあり、購買判断の一要素になっています。


6. 各分野での活用事例

  • スマートフォン・ウェアラブル機器:雨や汗を想定したIPX4〜IP68
  • アウトドア機器:山登りや海辺使用を考慮したIP67以上
  • 産業用機械・制御盤:粉塵環境や工場内の水洗浄に耐えるIP65〜IP69K
  • 医療機器:アルコール消毒や洗浄工程を考慮しIPX7以上が求められるケースも

7. 日本と海外の違い

IP規格は国際的な基準ですが、国や業界によって細かな要求は異なります。

  • 日本:JIS C 0920(IEC 60529に準拠)
  • 欧州:IEC規格をそのまま採用
  • 車載分野:ISO 20653に基づきIP69Kなどが定義

海外輸出を行う製品は、それぞれの市場の要求に合った試験を受ける必要があります。


8. 最新動向と今後の展望

近年では以下のような動向が見られます。

  • 5Gスマートフォン普及に伴うIP68標準化
  • EV充電器や車載機器におけるIP67以上の要求
  • 医療・食品分野での洗浄耐性(IPX9K相当)の拡大
  • IoT機器の屋外設置増加に伴う防塵防水評価の必須化

今後はIP規格だけでなく、耐薬品性や耐久性などを組み合わせた包括的な評価が求められると考えられます。


まとめ

IP試験(防水・防塵試験)は、製品が粉塵や水に対してどれだけ保護できるかを示す国際的な評価方法です。

  • IPコードの理解は、製品の選定・設計・販売において必須
  • **防塵等級(0〜6)、防水等級(0〜8)**の組み合わせで性能を表す
  • 家庭用電気製品から産業機器まで幅広い分野で活用
  • 国際展開を意識する場合は各国規格の差異にも注意

消費者にとっては安心感を、メーカーにとっては信頼性の証となるIP試験。

これからの製品開発や購入判断において、その意味を理解しておくことがますます重要になっていくと考えます。


弊社ではJIS C 0920 (IEC 60529)の他、自動車部品に対する規格であるISO 20653 (JIS D 5020)JIS D 0207についても対応しております。

弊社提携試験所と連携し、確実な試験サポートをさせていただきますので、申請要件、概算費用等ご不明点等ございましたら、弊社までお気軽にお問合せください。

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